北千住駅から荒川へ向かって歩くこと約8分。普段は車通りが多く、高架下は駐輪場や駐車場としてしか意識されない「千住新橋」。このコンクリートに囲まれた無機質な空間が、1日限定でちょっと温かみのある広場に生まれ変わります。
2026年6月28日(日)、高架下の千住側スペースにて、初開催となるイベント「千住縁側プロジェクト -ハシノシタ-」が実施されます。移動動物園やポニー乗馬、ワークショップ、キッチンカーなどが集まり、いつもの何気ない通り道が、ちょっと特別な憩いの場に変わる試み。地元の街に寄り添った視点から、この新しいイベントの見どころや、おすすめのお散歩ルートを紹介します。
高架下の大きな日陰スペースに、可愛い動物たちがやってきます。うさぎやモルモット、ヒツジ、ヤギなどと間近で触れ合える「移動動物園」は入場無料で出入り自由。さらに、小学生以下のお子様を対象に、実際にポニーの背中に乗ってゆっくり散策できる「ポニー体験乗馬」も実施されます。こちらは1回500円(事前予約制)で参加可能です。
普段はアスファルトの上で過ごすことが多い街暮らしの中で、荒川の風を感じながら動物たちと触れ合える時間は、子どもたちにとって特別な思い出になりそうです。
高架下の広場には、こだわりグルメを載せたキッチンカーが勢揃いします。歩き疲れたときの水分補給や、ちょっとした軽食を片手に、川沿いの爽やかな風の中で楽しむ食事は格別。また、手を動かしてオリジナルのクラフトアートを作る「体験型ワークショップ」も多数出店し、大人から子どもまでそれぞれのペースで物作りに熱中できる空間が広がります。
北千住駅から荒川河川敷までは、のんびり歩いて10分足らず。ただ、その道のりにある千住新橋の高架下は、これまでは通り過ぎるだけの薄暗いトンネルのような存在でした。しかし、雨や強い日差しを遮る巨大なコンクリートの屋根は、視点を変えれば「全天候型のひろば」としての価値を持っています。
今回のプロジェクトは、この場所に日本の伝統的な「縁側」のような機能を持たせ、世代を超えて人々が語り合える場にしようと企画されたそうです。高架下にベンチが置かれ、音楽が流れ、人が行き交う――そんな風景が1日だけでも生まれることは、この街の散歩ルートをもっと面白くする最初の一歩になりそうです。
イベント会場へ行くなら、北千住駅の西口を出て、すぐ右手に見える「宿場町通り商店街」をまっすぐ北上するルートがおすすめです。古い建物をリノベーションしたカフェや、地域で長く愛される惣菜店などを横目に歩き進めると、突き当たりに荒川の土手が見えてきます。宿場町通りから一本入った路地裏には魅力的なお店が多く、北千住のレトロな街並みと隠れ家カフェを巡る散策ガイドを参考に寄り道してみるのもおすすめです。
土手を上る直前の高架下にイベントエリアが広がっており、お散歩コースとして歩くのにもちょうどいい距離感です。イベントを楽しんだ後は、そのまま荒川の芝生でのんびり川風にあたるのも贅沢な週末の過ごし方です。川沿いの散策とあわせて立ち寄りたい千寿茶房と荒川の散歩ルートも、のんびりとした休日を過ごすのにぴったりのコースです。
北千住は「住みたい街」として名前が上がることも増えましたが、それは駅前の利便性だけでなく、少し歩けばこうした荒川の自然や、地域を盛り上げようとする温かいイベントがあるからこそ。抜群のアクセスと下町情緒を兼ね備えた北千住の住みやすさと治安の実態を知ると、この街の奥深い魅力がさらに見えてきます。
千住新橋の下に生まれる新しい「縁側」に、お散歩がてらふらっと立ち寄ってみてください。いつも見慣れた北千住の景色が、また新鮮に映るはずです。