都内で賃貸物件を探していると、同じマンション内や同じ平米数・間取りであるにもかかわらず、1階のお部屋だけ家賃が5,000円から1万円ほど安く設定されている場面によく遭遇します。月々1万円の差額は年間で12万円、2年間の普通借家契約期間中では更新料を含めて約25万円もの固定費削減につながるため、固定費を抑えたい方にとって1階物件は魅力的な選択肢に映るはずです。
しかし同時に、「防犯面で危険ではないか」「ベランダに洗濯物を干せないのではないか」「湿気やカビ、害虫の侵入に悩まされるのではないか」といった不安がよぎり、申し込みを躊躇してしまう方も少なくありません。また、2階以上を選んだとしても「下の階への足音に神経を使う」「エレベーター待ちの時間が長い」「ベランダからの落下が怖い」といった別の課題に直面するケースも見られます。
本記事では、都内で10年以上お部屋探しの現場に立ち会ってきた宅地建物取引士が、賃貸物件における「1階」と「2階以上」のリアルな居住環境の違いを客観的データと実務経験から徹底的に比較・解説します。単なるメリット・デメリットの羅列にとどまらず、防犯や害虫、足音ストレスの構造的背景から家賃差の損益分岐点までを網羅しました。ご自身のライフスタイルに最適な階数を見極めるための羅針盤としてご活用ください。
- 【結論】 1階は「家賃の割安さ・足音への気兼ねのなさ・外出の身軽さ」に秀でており、在宅時間が短い単身者や小さなお子様がいるファミリーに最適です。一方、防犯・採光・害虫リスクを自力で対策したくない方には2階以上が適しています。
- 【家賃/費用】 都内の同物件比較において、1階は2階以上と比べて月額3,000円〜12,000円(約5〜10%)割安です。2年間で初期費用を含め20万〜30万円前後の差が生じるため、その差額を自前の防犯・調湿対策費に回す選択も合理的です。
- 【失敗回避の要点】 1階を選ぶ際は「前面道路の交通量・歩行者の視線高さ」「敷地内ゴミ置き場との距離」「基礎の立ち上がり高さ(GLからの高さ)」を現地内見で必ず計測・確認してください。
1. 賃貸の「1階」と「2階以上」は何が違う?家賃差1万円の背景と基本構造
同一マンションで生じる階数別賃料設定のメカニズム
賃貸マンションやアパートの賃料は、オーナー(貸主)や管理会社、客付けを担う不動産仲介会社が「周辺相場」と「市場における需要の強さ」を慎重に精査して設定しています。一般的に集合住宅では、上層階へ行くほど眺望や日当たりが向上し、道路からの視線や騒音が届きにくくなるため、入居希望者が集まりやすくなります。
その結果、同じ専有面積(平米数)かつ同じ設備グレードの間取りであっても、2階以上の基準家賃に対して1階部分は月額5,000円から1万円程度低く設定されるのが通例です。これは「1階に何らかの瑕疵がある」という意味ではなく、空室期間を最短化するための純粋なプライシング戦略に基づいています。募集賃料を下げることで、初期費用や固定費を抑えたい層の目に留まりやすくしている背景があります。
1階住戸が持つ構造的な利点:移動ストレスゼロと荷物の搬入
一般的にデメリットばかりが注目されがちな1階ですが、構造上の明白な物理的アドバンテージも数多く存在します。最大のメリットは、エントランスから自室玄関までのアプローチにおいて階段の昇り降りやエレベーターの待ち時間が一切発生しない点です。
例えば、朝の通勤ラッシュ時に高層マンションでエレベーターが各階に止まり、数分間のタイムロスが発生するようなストレスとは無縁になります。また、スーパーで重い飲料や食材を大量に買い込んだ際や、スーツケースを引いての出張・旅行時、さらには引越し時の搬入・搬出においても、段差の少なさは日常生活の身体的負担を大きく軽減してくれます。宅配ボックスからの荷物運搬も最短動線で完結するため、日々の生活効率を重視する方には極めて合理的です。
2階以上が持つ構造的な利点:視線の抜けと開放感
対する2階以上の住戸における最大の強みは、心理的な開放感と視界の抜け感にあります。1階住戸の場合、窓の外が駐輪場や共用通路、隣接するブロック塀に面しているケースが多く、どうしても外からの視界を遮るために一日中遮光カーテンやレースカーテンを閉め切った生活になりがちです。
一方、2階以上の住戸では地面から一定の高さが確保されるため、外部からの通行人の視線が室内に直接届きにくくなります。カーテンを開けて柔らかな自然光を室内に採り込みやすく、窓を開けて風を通す際にも心理的な抵抗感が格段に少なくなります。バルコニーに椅子を置いてくつろいだり、安心して室内干し以外の自然乾燥を行えたりする居住性は、2階以上ならではの魅力といえます。
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安心・開放感・プライバシー重視タイプ
- ✓ 道路や歩行者からの目線が届かずプライバシー確保
- ✓ 外部からの侵入経路が限定され防犯性が向上
- ✓ 湿気や害虫の侵入リスクが相対的に低減
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2. 防犯・プライバシーの真実:空き巣や視線リスクのデータと具体的な防犯対策
警察庁統計から読み解く共同住宅の空き巣・侵入手口
賃貸を検討されるお客様から最も多く寄せられる相談が、「1階は泥棒に入られやすいのではないか」という防犯面への懸念です。警察庁が発表している「住まいる防犯110番」の統計データを確認すると、3階建て以下の共同住宅における侵入窃盗(空き巣・忍び込み)の侵入経路のうち、約半数以上が「窓」からの侵入となっています。そして侵入手口の第1位はガラス破りではなく、驚くべきことに「無締り(施錠忘れ)」です。
1階住戸は足場を使わずに窓へ直接アプローチできるため、窓の施錠を怠っていた場合に狙われやすい傾向があるのは事実です。しかし見落とされがちなのが、4階建て以上の共同住宅や中層マンションであっても、屋上や非常階段、雨樋からバルコニーへ降り立つ「下がり蜘蛛」と呼ばれる手口が存在する点です。「2階だから鍵をかけなくても安全」という油断こそが最大の防犯上の脆弱性になり得ます。
1階の死角になりやすいポイントとベランダ目隠しの逆効果
1階を内見する際、多くの方が「通りから室内が見えないように高いフェンスや植栽がある物件」を好まれる傾向があります。しかし、防犯のプロである宅建士の視点からお伝えすると、高すぎるブロック塀や生い茂った植栽は、侵入者にとって「一度敷地内に潜り込んでしまえば周囲から一切姿が見えなくなる絶好の死角」を作り出す危険性があります。
防犯性に優れた1階物件の条件は、完全に隠蔽されていることではなく、適度な「見通しの良さ(自然監視性)」が保たれていることです。また、敷地内に防犯砂利が敷かれているか、夜間に人の動きを感知して点灯する人感センサーライトが設置されているか、共用廊下に死角がなく防犯カメラが稼働しているかといった設備環境が、空き巣の犯行企図を諦めさせる決定的な要因となります。
2階以上でも狙われる「雨樋・共用廊下・非常階段」の盲点
「2階以上だから防犯対策は不要」と考えるのは非常に危険です。特に低層アパートや中低層マンションの2階・3階は、1階の駐輪場屋根や共用ゴミステーションの天板、堅牢な縦樋(雨樋)、あるいは共用階段の踊り場が足場となり、成人男性であれば数秒でバルコニー手すりへ跳び移れる構造になっているケースが散見されます。
また、外廊下タイプのマンションでは、共用廊下に面した居室の腰高窓(共用廊下側窓)が無防備になりがちです。面格子が取り付けられていないルーバー窓や、格子が簡単に外せる古いアルミ製サッシの場合、廊下を通る第三者が容易に侵入を試みることが可能です。どの階数に住む場合であっても、窓の二重ロック(補助錠)やサッシストッパーの活用は必須の防犯習慣といえます。
女性の一人暮らしにおける外干しと洗濯物のカモフラージュ
プライバシーの観点で特に注意を払うべきなのが、バルコニーや庭先での洗濯物の干し方です。1階住戸で女性用衣類やキャラクター柄のバスタオルを無防備に外干ししてしまうと、外部の通行人に対して「若い単身女性が住んでいる」という個人情報を発信しているのと同義になってしまいます。
1階で快適に暮らす単身女性の多くは、最初から浴室乾燥機やドラム式洗濯乾燥機を活用して「完全部屋干し」に切り替えています。どうしても外干しをしたい場合は、外から見えにくいバルコニーの内側低位置に物干し竿を設置し、男性用衣類を意図的に混在させて干すといった防犯上のカモフラージュ技術を取り入れる工夫が有効です。
警察庁統計による侵入手口。施錠徹底が最大の防犯策
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5分以内に侵入できない場合、約7割の空き巣が犯行を断念
地表面に近く植栽が多い1階は飛翔・歩行害虫の侵入率が上昇
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3. 虫・湿気・日当たりのリアル:階層による環境差と快適に過ごすためのチェックポイント
害虫の侵入経路:ゴキブリ・蚊・クモはどこから室内に入るか
虫が苦手な方にとって、1階への入居をためらう最大の要因は「害虫との遭遇リスク」です。クロゴキブリやチャバネゴキブリ、蚊、ハエ、ヤスデなどの害虫は、主に地表付近や土壌、排水溝、植栽の根元を生息域としています。そのため、地面から高さがない1階住戸は、開口部(窓や玄関ドアの開閉時)からの飛翔侵入やサッシの微細な隙間からの侵入リスクが物理的に高くなります。
しかし、高層階だからといって油断はできません。ゴキブリやコバエは、エレベーターに同乗して上層階へ運ばれたり、建物全体の共用排水管(竪管)を伝って各戸のキッチンドレインや浴室排水口から侵入したりする事例が数多く存在します。階数の高低にかかわらず、シンク下の配管貫通部の隙間パテ埋めや、エアコンのドレンホース先端への防虫キャップ装着など、侵入経路を物理的に遮断する初期対策が極めて重要です。
床下からの湿気・冷気とカビ発生のメカニズム
1階住戸特有の室内環境として注意すべきなのが、「床下からの冷気と湿気の影響」です。近年の高気密・高断熱マンションであれば床下断熱材がしっかり施工されていますが、築年数の経過した木造アパートや軽量鉄骨造の1階では、地面からの湿気が床下に滞留しやすく、冬場に底冷えを感じるケースが少なくありません。
また、梅雨時期から夏季にかけては、地熱の影響で冷やされた床面に室内の湿った空気が触れることで、床下や畳の裏、クローゼットの北側角に結露が生じ、カビやダニの温床となるリスクがあります。1階に入居する場合は、サーキュレーターを活用して室内の空気を常時循環させ、クローゼットや押し入れの壁面から家具を数センチ離して設置する通気性の確保が欠かせません。
日当たり・採光条件を左右する「離隔距離」と「GL(地盤面)」の見方
部屋の明るさや洗濯物の乾きやすさを決定づける日当たりは、階数そのものよりも「隣接建物との離隔距離」および「道路幅員」に強く依存します。南向きの1階であっても、敷地南側に3階建ての戸建てやマンションが近接して建っている場合、直射日光が差し込む時間は正午前後のわずか1〜2時間に限られてしまうことがあります。
さらに内見時に必ず確認していただきたい専門的な指標が、「GL(グラウンドレベル=平均地盤面)」と専有部床面の高低差です。敷地が道路より低い「半地下構造」の1階物件では、採光が著しく遮られるだけでなく、大雨時の浸水リスクや湿気滞留のリスクが跳ね上がります。逆に、1階であっても敷地の基礎が1メートル近く高く立ち上がっている物件であれば、歩行者の目線が室内に入らず、日照や通風も2階に近い良好な環境が期待できます。
1階物件の内見で必ず嗅ぐべき「共用廊下とシンク下の匂い」
1階の湿気や害虫リスクを正確に判定するプロのテクニックは、五感、特に「匂い」の確認です。内見時に玄関を開けた瞬間、あるいは共用廊下の階段下に立った際、カビ臭や土臭い湿気を感じる物件は地盤面の排水性が悪く、湿気が建物内部に滞留している証拠です。また、キッチンのシンク下収納扉を開けて排水蛇腹ホースの根元を確認してください。床板との接続部に防臭キャップがなかったり隙間が空いていたりすると、下水管からの悪臭だけでなく害虫の主要進入路となります。こうした微細な施工不良は、入居前に管理会社へ是正要望を出しておくことが肝要です。
4. 足音・生活音ストレスの構造:加害者リスクと被害者リスクの比較
「下階への足音を気にしなくてよい」という圧倒的な精神的解放感
集合住宅における近隣トラブルの筆頭は、今も昔も「足音や生活音」にまつわる問題です。特にフローリングの床をかかとからドスドスと歩く「重量衝撃音」や、椅子を引く音、物を落とした際の「軽量衝撃音」は、直下の部屋の天井を通じて非常に響きやすい性質を持っています。
2階以上の住戸に暮らす場合、「深夜に歩くときは忍び足にする」「防音マットを幾重にも敷き詰める」「物を落とした瞬間に背筋が凍る」といったように、無意識のうちに下階への配慮による精神的プレッシャーを抱え込むことになります。これに対して、1階住戸の下には誰も住んでいません(地下ピットや駐車場の場合を除く)。小さなお子様が元気に走り回ったり、在宅ワーク中に立ち上がってストレッチをしたりする際も、階下への騒音加害者になるリスクが物理的にゼロである点は、計り知れない心の安らぎをもたらします。
上階からの足音被害は1階も2階も同じ?建物構造(RC・重量鉄骨・木造)の影響
一方で、よくある誤解として「1階に住むと上階の足音に一方的に悩まされるのではないか」という不安が挙げられます。結論から申し上げますと、上からの足音被害リスクに関しては、最上階以外の部屋であれば1階でも中層階でも本質的な差はありません。むしろ、木造や軽量鉄骨造の2階建て物件において、2階に住んでいる人が1階からの生活音やドアの開閉音に悩まされるケースも頻繁に発生しています。
音の問題を左右する最大の要因は、階数よりも「建物の躯体構造」です。鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)であれば、床スラブ厚が180mm〜200mm以上確保されている物件が多く、上階からの足音は大幅に減衰されます。対照的に、木造アパートや軽量鉄骨造では、上下階だけでなく左右の界壁を伝わる固体伝播音を完全に防ぐことは困難です。音に過敏な方は、階数よりもまずRC造マンションを優先して選ぶべきといえます。
子育て世帯・筋トレ愛好家・夜型テレワーカーが1階を選ぶべき理由
特定のライフスタイルを持つ方にとって、1階住戸はデメリットを補って余りある明確な合理性を備えています。例えば、歩き始めから小学生低学年までのお子様がいる子育てファミリーの場合、日常的に「静かにしなさい!」と子どもを叱り続けるストレスは親にとっても大きな負担となります。1階であれば、育児に伴う音のトラブルを未然に回避できます。
また、自宅でダンベルやヨガマットを用いたトレーニングを行うフィットネス愛好家や、夜勤明けで深夜・早朝に帰宅して室内を歩き回る夜型生活の単身者、さらには頻繁に室内でオンライン通話を行うテレワーカーにとっても、下階への配慮が不要な1階は理想的な生活環境を提供してくれます。
| 項目・環境要素 | 1階住戸の特徴 | 2階以上住戸の特徴 | 宅建士の総合判定 |
|---|---|---|---|
| 下階への足音リスク | 完全皆無(加害者リスクなし) | 常時配慮が必要(防音マット推奨) | 子育て世帯や活動的な方は1階が圧倒的優位 |
| 外部からの防犯性 | 窓やベランダへの侵入路に注意 | 地面からの直接侵入は防ぎやすい | 2階以上が有利だが無施錠対策は共通して必須 |
| 害虫・湿気の侵入 | 土壌や排水管が近く侵入率高め | 地表付近の害虫は比較的届きにくい | 1階は侵入防止キャップや換気・除湿が鍵 |
| 日当たり・プライバシー | カーテンを閉める生活になりやすい | 視線が抜け、明るい採光が期待できる | 在宅時間の長さによって評価が大きく分かれる |
| 家賃設定とコスパ | 相場より月3,000円〜1万円割安 | 基準賃料通りの標準設定 | 浮いた家賃を貯蓄や防犯投資に回す選択も合理的 |
5. コスパ徹底比較:初期費用・月額家賃のシミュレーションと損益分岐点
間取り別・都内主要エリアにおける1階と2階以上の家賃相場比較
都内の賃貸市場において、1階と2階以上の住戸でどれほどの賃料格差が存在するのか、間取り別の平米数や主要エリアの賃料相場を基準に比較整理しました。一般的にワンルームや1Kなどの単身向け物件では月額3,000円〜6,000円程度の差額ですが、専有面積が広がる1LDKや2LDKでは月額8,000円〜15,000円前後の差額が生じるケースも珍しくありません。
| 間取り / 専有面積 | 対象エリア例 | 1階 想定家賃 | 2階以上 想定家賃 | 月額差額(年間差額) |
|---|---|---|---|---|
| 1K(約22㎡〜25㎡) | 足立区・綾瀬 / 北千住周辺 | 71,000円 | 77,000円 | -6,000円(-72,000円) |
| 1K〜1DK(約25㎡〜30㎡) | 中野区・杉並区(中央線沿線) | 85,000円 | 93,000円 | -8,000円(-96,000円) |
| 1LDK(約38㎡〜45㎡) | 江東区・墨田区(門前仲町等) | 142,000円 | 152,000円 | -10,000円(-120,000円) |
| 2LDK(約55㎡〜62㎡) | 世田谷区・練馬区郊外住宅街 | 175,000円 | 188,000円 | -13,000円(-156,000円) |
初期費用の詳細内訳比較:敷金・礼金・仲介手数料への波及効果
賃貸契約における初期費用(契約金)の多くは、「家賃の〇ヶ月分」という形で算出されます。敷金1ヶ月、礼金1ヶ月、仲介手数料1ヶ月(+税)、賃貸保証会社初回保証料0.5ヶ月、前家賃1ヶ月という標準的な条件で契約する場合、初期費用の総額は「家賃の約4.5ヶ月〜5ヶ月分」に達します。
したがって、月額家賃が1万円低くなるだけで、契約時に支払う初期費用の総額は約4.5万円〜5万円程度そのまま圧縮される計算となります。以下の試算表は、同一物件(1LDK・40㎡想定)において、1階(月額120,000円)と2階(月額130,000円)を契約した際の初期費用内訳の差異を示したものです。
| 費用項目 | 計算基準 | 1階住戸(家賃12.0万円) | 2階住戸(家賃13.0万円) | 差額(1階の削減額) |
|---|---|---|---|---|
| 前家賃+共益費 | 翌月分(共益費1万円共通) | 130,000円 | 140,000円 | -10,000円 |
| 敷金 | 家賃1ヶ月分 | 120,000円 | 130,000円 | -10,000円 |
| 礼金 | 家賃1ヶ月分 | 120,000円 | 130,000円 | -10,000円 |
| 仲介手数料 | 家賃1ヶ月+消費税10% | 132,000円 | 143,000円 | -11,000円 |
| 保証会社初回保証料 | 総賃料の50% | 65,000円 | 70,000円 | -5,000円 |
| 火災保険料・鍵交換代 | 固定実費(共通) | 44,000円 | 44,000円 | 0円 |
| 初期費用概算合計 | 契約時一括支払 | 611,000円 | 657,000円 | -46,000円 |
2年間の総保有コスト(TCO)と「浮いたお金」の防犯投資シミュレーション
初期費用と2年間の賃料、そして更新料(新家賃の1ヶ月分)を合算した「2年間の総支払コスト」を計算すると、月額家賃差1万円のインパクトはさらに明確になります。24ヶ月分の賃料差24万円に初期費用の差額約4.6万円、さらに2年後の更新料差額1万円が加わるため、丸2年間居住した場合の差額総計は約29.6万円(約30万円)に達します。
この浮いた約30万円のうち、例えば3万円〜5万円を防犯カメラ付きインターホンの後付け設置や窓の補助錠、高性能サーキュレーター、ドラム式乾燥機や除湿機などの設備投資に充当したとしても、手元にはなお25万円以上の純粋な節約余力が残ります。デメリットを自前の設備投資で計画的に補填できる方にとって、1階住戸のコストパフォーマンスは極めて高いといえます。
なお、他社不動産会社の見積もりで付帯されがちな「除菌消臭代」や「入居者簡易サポート費用」といった名目の不要な費用を削減することで、初期費用はさらに適正化できます。ご自身の検討物件の概算初期費用を手軽に把握したい場合は、ソライ東京の「初期費用シミュレーター(/quote)」を活用して10秒でスピード試算してみることをおすすめします。
6. 後悔しない階数選びの基準と内見チェックリスト・ソライ東京への相談案内
【自己診断】あなたは1階向き?それとも2階以上向き?
階数選びで最も大切なのは、他人の意見ではなく「ご自身の生活動線と性格特性」に合致しているかどうかです。以下のチェックシートを参考に、ご自身がどちらの属性に近いかを確認してみてください。
▼1階を選ぶと満足度が高くなりやすい方
- 毎月の住居費や初期費用を抑えて、貯蓄や自己投資・趣味に資金を回したい
- 小さな子どもがおり、室内での足音や飛び跳ねによる苦情ストレスを完全に無くしたい
- 仕事や外出で日中はほとんど家に居らず、部屋には主に寝に帰るだけである
- 重い荷物の持ち運びや階段・エレベーターの移動を億劫に感じる
- 帰宅後すぐに部屋に入り、朝も最短時間で外出したい
▼2階以上を選んだほうが後悔しない方
- 休日やテレワーク中、カーテンを開けて自然光の中で開放的に過ごしたい
- 一人暮らしの女性で、防犯や通行人からの視線に対して不安を感じやすい
- 虫の気配や遭遇に極度のストレスを感じてしまう
- 洗濯物はバルコニーで太陽の光に当てて気持ちよく外干ししたい
- 通りからの自動車の走行音や通行人の話し声をなるべく遮断して静かに暮らしたい
内見時に現地で確認すべき「1階・2階共通」のチェックリスト
お部屋の内見に訪れた際は、室内設備の綺麗さだけに目を奪われず、建物の外周や共用部の環境を念入りに観察してください。以下の5項目は、宅建士が現地調査を行う際に必ず確認している必須チェックポイントです。
- 共用ゴミ置き場の位置と管理状況: 自室の窓や玄関のすぐ近くにゴミステーションが隣接していないか。扉が閉まらないタイプやネットだけのゴミ置き場は悪臭やコバエ・ネズミの発生源になります。
- 駐輪場・外部階段とベランダの位置関係: 駐輪場の屋根や非常階段の手すりから、2階ベランダへ容易に乗り移れる構造になっていないか(2階以上でも防犯上の弱点になります)。
- サッシと窓枠の建て付け・二重ロック: 窓のクレセント錠にロックボタンが付いているか。補助錠を取り付けられるスペースがあるか。
- 排水溝の匂いと床下の気流: キッチンシンク下や浴室の点検口周辺から下水臭が立ち上っていないか。
- 夜間の周辺人通りと街灯の配置: 最寄り駅から物件までのルート、および物件エントランス前が夜間でも明るく見通しが良いか。
希望条件・階数整理
家賃予算と許容できる生活条件の優先度を明確化
気になる物件URL送付
ポータルサイトで見つけたURLを公式LINEへ共有
AIスピード診断&見積もり
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現地動線・プロ内見
日照・防犯・湿気・足音環境を宅建士視点でチェック
階数選びに迷ったら「ソライ東京」へお気軽にご相談ください
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よくある質問(FAQ)
Q1階と2階以上で、冬場の室温や光熱費(エアコン代)に差は出ますか?
A1階住戸は地面からの冷気の影響を受けやすく、特にフローリング直下の断熱施工が薄い木造や軽量鉄骨造では冬場の底冷えが発生しやすくなります。そのため、冬の暖房効率は2階以上と比べてやや低下し、電気代が月数百円〜千円程度高くなる傾向があります。一方、夏場は直射日光を遮りやすい1階のほうが室温の上昇が穏やかである場合もあり、一概にどちらが圧倒的に不利とは言えません。カーペットの重ね敷きや断熱カーテンの併用で十分にカバー可能です。
Q女性の一人暮らしで1階を選ぶのはやはり危険でしょうか?
A防犯設備や立地条件が整っていれば、女性の一人暮らしでも1階で安全かつ快適に暮らしている方は多数いらっしゃいます。選ぶ際の必須条件として「オートロック完備」「防犯カメラ設置」「敷地内の見通しが良い」「大通りから近すぎず遠すぎない立地」「雨戸やシャッターが付いている」といった点を満たしている物件を推奨します。また、完全部屋干しを前提とした生活設計や窓の二重ロックなど、日頃の防犯意識を高く保つことが大切です。
Qネットで見つけた1階と2階の空室、どちらが本当にお得か診断してもらえますか?
Aはい、喜んで診断いたします。SUUMOやHOME'Sなどで見つけた気になる物件のWebページURLをソライ東京の公式LINE(@soraitokyo)宛にお送りいただければ、専任AIコンシェルジュとお部屋探しのプロが両住戸の正確な空室状況を確認し、不要な諸経費を排除した適正な初期費用見積もりをそれぞれ迅速に作成・ご提示いたします。2年間のトータルコストや現地環境の差異を含めて、客観的にアドバイスいたしますので安心してお問い合わせください。
執筆者:Sorai Tokyo 編集部(宅地建物取引士 監修)
足立区・葛飾区など東京城東エリアの住まい選びと生活QOL向上を専門とする不動産コンサルティングチーム。宅地建物取引士の専門知識に基づき、初期費用の適正化や地域の住みやすさ、失敗しないお部屋探しのポイントをわかりやすくお届けします。